全体性を主軸に都市、インターネットといった個々が集合した現象と、その個に携わる身体の境界といったものに焦点を当てて制作しています。
90年代に家庭用インターネットが普及。
地下鉄サリン事件や阪神大震災といった都市にまつわる大事件と並行して個の幸せや断絶された世界に焦点を当てたエヴァンゲリオン、バトルロワイヤルなどの作品が次々に発表され、当時、中学生だった私の生活は、実在する世界からインターネットという空間に身体共にシフトしていきます。
そこには現実の様々な抑圧が解放され、欲望と生命力に満ちた秩序のない世界がありました。
一方現実ではスーパーに並ぶ野菜は綺麗にラッピングされ、新しいビルが立ち並び、お手洗いすら弁当を食べることができるほど清潔に整備されていきます。
この状況や環境は果たして健康な状態なのだろうか。
この現実にも隠された欲望や生命力と言ったものがあるのではないだろうか。
と言った問が今の制作の動機付けになっています。
これらの現象を当事者、あるいは傍観者としてみる景色を作品に落とし込みたいと思っています。